ゲーマーのためのクラウドファンディング

「未来のゲームを引っ張ってこよう」

キックスターターの参加の仕方や、そもそもクラウドファンディングがなんなのか説明したサイトはいくらでもあると思うので、そういうのは「ま、検索してください」で済ませても良いかな~と思っていたのですが、まだまだゲーマーにはクラウドファンディングが何か理解されていないので本記事を書こうと思います。

特に進んで何かをしろとは思いませんが、
ゲーマーであれば将来欲しいゲームがなければ困るわけでして、
ゲーム機、スマートフォン、Steam...などの選択肢にそろそろ「未来のゲームに先行投資する」という項目が加えられてもいいのではないか、と考えています。

ただ、後述しますがそのプロジェクトが成功するかしないか、というのは発起人の手腕次第であり
出資者にはそれなりの審美眼が必要である事は確かです。

ちなみに今僕がいくらかお金を払っているアンサングストーリーは限りなく失敗プロジェクト入り
しそうで悲しい気分です。


■クラウドファウンディング

 ①クラウドファンディングとは

ま、検索してください!

というのは嘘ですが、
簡単に言うと何らかのプロジェクトを達成するためインターネット上の人々から資金を集める行為・またそうしたサービスを提供する仕組みの事を言います。


 ②何故ゲーム開発者はクラウドファンディングを頼るのか。

多分、お金がないからです!!

というと身も蓋もないですが、もっと感情的な部分を込めると、日本のゲーム会社では
そもそもゲームの企画が通らなかったり予算が降りないといった現実的な問題が立ちふさがっています。

作りたい者を作りたくなった開発者はこうした手段を頼っています。

ただ現状、例えば過去に大作を作ったりであるとかある程度ネームバリューがある人の
プロジェクトじゃないとなかなかGOサインが降りる金額まで行ってない気もしますので、
これがどれだけ開発者にとって役に立つ手段になっているかは正直半信半疑ですが。


 ③出資者にリスクはあるか

出資した金額分リスクがあると考えて良いです。

2年後の6月完成予定だったゲームが12月にずれたりとか、会社のお金がなくなっちゃって資金集めに奔走している最中でいつできるかわかりません、とかあり得ます。

で、失敗した場合ほぼお金が返ってこないと考えて良いです。

投資は、そういうもんらしいです。

リリースの遅延が発生した場合、そういうものだと思った方がいいです。

音楽にしろ絵にしろ、いついつに出来るというのは予定であって、思ったより早くできる場合や
思ったより遅くなる場合もある、という事はザラです。

以上をまとめるとネームバリューで判断するよりも、信頼できる人々かという事をよく考えた方がいいです。


 ④出資者のメリットはあるか

これを読んでる方は何をゲットできたらメリットだと考えますか。

ゲームの場合は、大体20ドルから30ドル支払えばリリース日やその少し前にダウンロード版をゲットできたりします。

またオリジナルのTシャツやデジタルサウンドトラック、デジタルアートブックがつく場合もあるでしょう。

もっとも安い金額でもエンディングロールに加えてくれたりします。

翻ってもっとも安い金額だから誰も読んでないエンディングロールに加えられるとも言います。

以上は小額投資の場合であって、そこそこの高額になるとベータアクセス権をゲットできたり、
クエストの内容を考えたり、Tシャツ・紙のアートブックなどが貰えたりします。

サービス精神が旺盛な会社だと完成するまでに敵キャラの「名前」に投票させたりするところもあります。

Dragon fin soupはそのようなプロジェクトでした。

お金を払えばゲームがゲットできるのは買い物と同じなのですが、開発者は開発のために
今お金を欲しているという事です。


⑤大体意味はわかったけどクラウドファンディングをやっているサイトはどんなんがあるん?

よくぞ聞いてくれました!

今現在は結構沢山ありますが、以下2つのサービスをご紹介します。


1.Kickstarter


言わずと知れた有名なクラウドファウンディングのサイトキックスターターです。
他のクラウドファウンディングサイトと最も違うのは決めた最低金額に達しなければ
そのプロジェクトはゴーせず、泣いても笑っても1カ月後に結論がやってきます。
惜しいかな最低金額にも達しなかった場合出資者に返金されます。
ゲームの場合、達成金額ごとに
ゲーム機能の解放や対応ハードの増加、ローカライズの対応増加なんかが含まれていて
お金の払い甲斐があります。

他のサイトだと日数を延長できたりもしますが、そういうナァナァ感がないのがこのサイトのいいとこだと思います。

ただし、最低金額をちょっとしかクリアしそうにない場合少し出資を躊躇した方がいいかもしれません。

ちょっと超えるくらいだと出資者に対するリワードの用意やなんやらで火の車になってしまう事が多いそうです。

それに少ししか超えないと、ゲームの機能が解放されなかったりしてがっかりします。

2.Enty


すごく流行ってるとは言い難いですが、こちらは日本の方でも参加しやすいクラウドファウンディングサイトです。

このサイトはキックスターターと違って毎月投資する額が決まっています。
100円からの小額投資をでき、毎月の金額に対するリワード内容もクリエイターによって様々です。ゲーム以外でもイラストレーター、デザイナー、作曲家、などなど個人の方を応援する事ができます。

むしろこのサイトは投資者だけでなく、ネットで活動しているクリエイターの端くれみたいな方の修行の場・モチベーション維持のための場としてもいいのではないでしょうか。

私のフォロワーさんのドッターはこのサイトを利用されています。


Entyは小額投資ですが、投資する人をよく自分の目で見極めてみてください。


今回はこのサイトの利用の仕方は紹介しません。日本語なので誰でもわかると思います。


■Kickstarter


比較的規模が大きいプロジェクトのクラウドファウンディングの仲介先として選ばれやすい、
にもかかわらず日本人にとっては英語で敷居が高いという事でこのサイトの利用の仕方を紹介します。

 ①登録の仕方
URLを開いたら画面右側の「Sign up」を選択します。
名前、メールアドレス、同じメールアドレス、パスワード、同じパスワード
を入力して「Sign me up!」を押します。
多分登録したメールアドレス先に確認のメールが届くのでそれに記載されたURLをクリックして
登録を完了してください。

 ②プロジェクトへの参加

今回は一昨日紹介したシミュレーションRPG「Arcadian Atlas」を例に説明します。


画像の①はプロジェクト名

②は支援者数。バッカーと呼びます。

③は今集まっている金額であり、その下のグレーの金額はこのプロジェクトがゴーするために必要な最低金額です。

④は残り日数です。この残り日数が0になった時、最低金額以上を達成していれば開発がスタートします。

⑤を押すといくら出資するかの選択画面が表示されます。

色んな金額がありますが、今回は20ドルを選択しました。

20ドルのリワード内容はデジタルゲームで、リリース日にこのゲームがもらえます。

コンティニューを押すとクレジットカード情報とPostalcode(郵便番号)を入力するページへ飛びます。

以前であればAmazon paymentsのページへ移行して再度そのアカウントで入力しなければいけなくなったのですが、この面倒くさい仕様が変更されたそうです。

登録をしてPledge(誓約)を押してカード情報が合っていれば投資完了です。

仕様変更に伴い、Vプリカはアマゾンではじかれていましたが、今現在では可能となっているらしく(2015年6月時点での情報)、クレジットカードにまだ手が届かない学生さんやなんかでもゲームに小額の投資をする事が可能です。

使えるのはクレジットカード、に加えてVプリカ、及びドコモ口座のクレジットカードです。

ただしVプリカは注意してください。

キックスターターで決済手続きが始まるのはプロジェクトの最低金額以上をクリアした状態で31日後を迎えたその日です。

Vプリカは一ヶ月経過毎に残高からいくらかひかれていくので、ギリギリしかお金が残ってないと万が一当日足りない、という事が起こりえます。

決済手続きは上記のとおりなので、Pledgeを押した後でもキャンセルはできます。

※今回は例としてArcadian Atlasのプロジェクトで説明しています。プロジェクトは以下のURLです。


 ③プロジェクト参加後

プロジェクトが見事スタートを切ることができたらフォーラムでコメントをしてもいいですし、
一定期間ごとに送られてくるプロジェクトのメールマガジンを待ってもいいでしょう。

このメールには進捗状況やアンケート、様々な事が書かれています。

予定より遅れているのであれば激励のコメントを残していってもいいですし、キレてもいいでしょう。
あなたの気分次第です。


 ④最後に

最近のゲーム開発期間は大体2~4年くらいです。
そう考えると、色々書いてきましたが、お金を払うプロジェクトはよく考えた方がいいという事です。
逆に2000円3000円なら全然いいよと思うなら自分が好きそうなゲームに何も考えずにお金払っちゃうのもありです。
いずれにしても手に届くまでに数年はかかる事なので、参加するならばゲーム開発の進行状況や雰囲気を楽しむのもクラウドファウンディングのだいご味でしょう。
じゃ、新しいゲームライフの選択肢として、脳裏にでもとどめておいてね。

ちゃお!!

あ、補足として、僕がお金払ったゲームは3タイトルです。

・Dragon fin soup(成功)
・Unsung Story(ほぼ失敗プロジェクト。立て直したらすごい。絶賛世の中でバッシングされ中)
・Arcadian Atlras(これから)





筆者ロジオン

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